今回のネタは一応「テレビ」にカテゴライズするが、日本のテレビの話である。
最近「ツボにはまった」言葉がある。それは
「お邪魔しますか?」
というもの。これは吉本新喜劇の安尾信乃助 のギャグである。こちらの日系スーパーの中に日本のテレビ番組のビデオをレンタルしている店がある。いままで利用したことがなかったのだが、とあるビデオを借りることになった。そこで今まで入ったことのない店の中の棚をいろいろ見ていたら「吉本新喜劇」というタイトルがあったので借りて見た次第である。
この安尾信乃助のギャグが出るときは、舞台にはすでに3,4人の登場人物がいて喋っている。そこに安尾信乃助が入ってきて「おじゃましますか?」と言うのである。皆狐につままれた様な顔をして、突っ込み役の人が答える。「あんた、『おじゃまします』って言いたいのでしょ。『か』はいらないの」。「え、『か』はいらないんですか。皆さーん、お元気です」「そこは『か』要るの!」と続く。
井上竜夫の「おじゃましまんにゃわ」とか末成由美の「ごめんやして、おくれやしてごめんやしー」と同じく登場するときのボケギャグの1種なのだが、井上や末成のは彼らがそれを言えば周りがこけるというパターンなのにたいして、安尾のは誰かが「そこは『か』いらないの」と突っ込まれて成立するギャグなのである。
Jabroniは大阪生まれであるが、小学校高学年の時に東京に引っ越した。小学校のとき吉本のお笑い番組も新喜劇も見ていたような記憶はあるが、ほとんど覚えていない。親が両方とも関東出身だったので、あまりこの手の番組を見せてもらえなかったかも知れない。
数年前にTBSが東京で吉本新喜劇を放映したことがある。それも平日のゴールデンタイムであった(無謀な・・・)。辻本茂夫や内場勝則などエース級を東京に出向させるなど力の入れようはすごかった。さらに東京になじみのある山田花子、ロンドンブーツなどのタレントを投入したが、結局長くは続かなかった。やはりなんばグランド花月でやってるものをそのまま放映したのでは東京では受けないだろうし、東京風にアレンジしてしまうと吉本新喜劇の魅力がなくなってしまうのだ。関西で生まれ、東京でも育ったJabroniは吉本の面白さも理解する一方、関東人がそれを嫌う感覚もよく理解できる。
みうらじゅんのマイブームの塔 という本に「血中関西濃度」という言葉がある。関西のお笑い文化をどれだけ理解するかということを表す言葉だが、Jabroniは今でも血中関西濃度が高かったということだろうか。もうしばらく吉本新喜劇のビデオを見てみようと思う。
最近のコメント