年末の休みを利用して、Houston、New Orleansに旅行している。最初はハリケーンカトリーナから復旧した(しつつある)New Orleansに行こうと決め、もう1つくらいアメリカ南部に行こうということになった。Florida、Atlantaなど候補があったが、昔の友人がいるHoustonに行って見ることにした。
Houstonは石油、ガスなどのエネルギー産業の町だ。私の友人も日本の商社からHoustonに滞在して、石油の仕事をしている。彼の案内でHoustonで唯一の?観光スポットNASAスペースセンターに行ってみた。
事前にガイドブックやインターネットの旅行記などを見てみると、「しょぼい」「期待はずれ」というコメントが多かった。
NASAのヒューストンでアポロロケットが打ち上げられていたのは、1960年代。現在のスペースシャトルはフロリダで打ち上げられており、ここHoustonのNASAは飛行士の訓練などに使われている。しかしアメリカにとってアポロ計画は歴史的な出来事である。というわけで今ではこのNASA Houston基地は宇宙飛行士の訓練が行われるほか、観光客向けにツアーが行われている。NASAの正面の建物は子供向けのアトラクションなどが入っているが、その奥から出ているのがTRAMツアーというもの。上の写真では見にくいが、3両ほどの観光トラムで基地の中を巡回する。ツアーは3つに分かれていてそれぞれ20分ずつ。
最初に行ったのが「指令センターツアー」。ここは実際にアポロ11号が打ち上げられたときの司令室を見るというもの。とあるビルに入って、そこから一気に5階まで階段を上ると、劇場の客席があって、その前のガラス窓の向こうに昔の司令室がそのまま残されている。
上の写真がその図。正面には4つの画像が表示されている。一番左(写真には写っていない)には各種のデータが数値で表示される。2番目4番目はビデオ映像。中央は地球上の軌道を表す地図が表示されている。
手前に見えるデスクは昔NASAの研究員たちが座っていたところだ。モニタ画面の右にスイッチパネルが見える。当時はまだコンピュータと言ってもキーボードはなかった。このビルの1階に部屋1つ分くらいのメインフレームがあったそうだ。そのメインフレームも、現在の家庭用PCの性能の3000分の1でしかないとか、当時はメールがなかったので、それぞれのデスクにダクトシュートで書類を送る装置がついていたというようなことが説明された。この司令室の後はさらに昔のロケット(Little Joe IIとMercury Redstone)が屋外に展示されているものを見ておしまい。
次は宇宙飛行士のトレーニングルームの見学というのに参加してみた。同じトラムで別の体育館というか倉庫のような巨大な建物に行くもの。ここではスペースシャトルのモックアップがいくつも作られていて、ここで宇宙飛行士が宇宙服を着て作業の訓
練をするところだという。今回はクリスマスの翌日ということで、誰も働いていなかったのは残念。確かにこのHoustonのセンターでは現在打ち上げが行われておらず、指令センターもない。今回見た指令室は歴史の一部になっているので、ちょっと迫力不足という感じではある。それでも科学の先端の歴史的なモニュメントを見ることはできる。アポロの月着陸をリアルタイムで見た人にはおすすめしたいツアーである。
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