シリコンバレーにCaltrainという列車がある。列車というのはディーゼルエンジンで動いているので電車ではないということ。そのCaltrainでワイアレスネットワークの実験が行われたという記事が、今日のSan Jose Mercury Newsに載っていた。Mercury Newsの記事はこちら。Caltrainのプレスリリースはこちら。
Intel Solution Services とNomad Digital Ltd.という2つの会社と共同で実験は行われた。CaltrainのBaby Bulletという急行列車に無線LANの端末を乗せて接続を試したということだ。この技術の肝は、WiMAXというもの。列車にはWiFiアンテナがついており、それが路線沿線に建てられたWiMAXアンテナと通信を行うというもの。WiMAXはWiFiにくらべて通信距離が長く、最長10マイルにも達するという。何しろ列車は毎時80マイルというスピードにもなるので、ハンドオーバーが大変になる。
今回の実験は今まで秘密に行われてきて、成功したところで発表されたという。アメリカの列車で最初の成功ということだが、シリコンバレーらしいというべきか。
アメリカに住んでいるとなかなか列車・電車を利用する機会がない。Caltrainにしても、ATT Park(SF Giantsの球場)に行くときに利用する程度だ。来週もNFLのゲームがあるのだが、ナイトゲームの後は1時間半に1本という極端に不便になるので、利用できなくて困っているところ。確かにSan Franciscoのような大都会に通勤するならば、車を停めることが高くつくので、Caltrainを利用する価値はある。しかしシリコンバレーではCaltrainからオフィスに行くまでの足が必ずしも揃っているわけではない。Caltrainという大動脈があっても、駅からオフィスや家のそばまでバスという支線が整っているわけではない。ネットワークが完全ではないのだ。
Caltrainでは社内ワイアレスサービスで客の増加を見込んでいる。最近のガソリン価格の高騰で、列車に変えたいという人は多いと思うが、現実にはなかなか難しい。
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