ストックオプションをめぐってのトラブルが多発している。
ネットワーク機器を製造するJupiter Networks、そしてApple Computerでストックオプションをめぐって株主が会社を訴える事態が起きている。Brocade Communication Systemsでは二人の幹部が刑事責任まで問われている。
Jupiter Networksの場合CEOのScott Kriens他幹部が自分たちにストックオプションを発行したということで株主が調査を求めている。またAppleでは1997年から2001年までのストックオプションの支払いに異常があったという。
ストックオプションは株価を買う「権利」のこと。例えば株価が上がった時に、オプションを持っている人は過去にさかのぼって安い価格で株を買うことができ、今の高い価格で売れば大きな利益をえられる。特に会社の幹部の場合は、その働きによって会社の業績が伸び、株価が上がればそれはその人の働きが評価されたことになる。株そのものを与えたものであれば、下がればその人は損するのだが、オプションならば最初から買わなかったことにすれば損することはない(ただし、その場合重役としての責任を問われてクビになるだろうが)。
問題は株価が上がってオプションを行使する場合、どの時点での株を買ったことにするかと言う問題である。もちろん株価が安いときの価格で購入したことにすれば儲けは大きい。つまり「いくらで買ったことにするか」はほとんど言い値なのである。特にCEOなど幹部の場合、その購入時期は自分で決めることができるので、自分で自分のボーナスを自由に設定できるようなものである。それにかかる費用は会社の金すなわち株主の金になるので、株主が怒って訴訟沙汰になるのは当然のことかもしれない。
シリコンバレーでは人の引き抜きが激しく、その際にストックオプションが使われるケースが多い。しかしオプション行使のルールがはっきりと決まっていないと、トラブルの元になってしまうということなのだ。
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