Santa Clara could potentially house both NFL teams
アメリカの大手テレビ局ABCのニュースレポート。昨日書いたように、Santa Clara市に建設を計画している新スタジアムでNFL(リーグ)がこれをサポートすることを表明している。
このスタジアムができた際に、49ersだけでなく、Oakland Raidersもホームスタジアムとしてこの新スタジアムを共有するのか?
Oakland Raidersは、Oakland市をホームとするチームで、AFC西地区に所属する。ちなみに49ersはNFC西地区所属。AFCとNFCは野球のアメリカンリーグとナショナルリーグのような感じ。New YorkではGiantsがNFC、JetsがAFCといったように、近くにあるチームはカンファレンスが別れるように調整されている。
San FranciscoとOaklandはSan Francisco湾を挟んだ対岸にあって、車で橋を渡れば10分という近さにある。Santa Claraは湾の付け根にあって、両市からは同じくらいの距離にある。だから、ここにSan Francisco 49ersとOakland Raidersがホームスタジアムを共有して、それぞれの市の名前を名乗ることはあながち無茶な話ではない。
49ersの現スタジアムのCandlestick Parkは、昔SF Giantsと共有していたことを書いたが、Raidersは現在もOakland AthleticsとMcAfee Coliseumを共有している。フットボールの日には客席を追加するが、それでもNFLの試合には客席が少ないと言われている。
「2つのチームが1つのフランチャイズを共有する」ということには実績がある。New YorkのGiantsとJetsは、昔はそれぞれYankees、Metsとスタジアムを共有していた。しかし1976年にGiantsがNew Jersey州のEast Rutherfordという場所にGiantsスタジアムを建設して移転を果たす。そして84年にJetsもGiantsスタジアムに移転して、同じスタジアムを共有することになった。この2チームのスタジアム共有はうまくいき、その後2チームは協力してスタジアムを新しく建て直し、今年の開幕から新しいスタジアムとなった。
リーグとしては、この成功体験を元に49ersとRaidersが共同で新スタジアム建設を進めることを後押ししている。
関係者の思惑はどうか?
Santa Clara市はこれを歓迎する。それは建設費の負担が市と49ersの2者から、Raidersも加わった3者にふえればそれぞれの負担も減るためだ。NFLはプレシーズンゲーム(オープン戦)も含めて、ホームゲームが10試合しかない。これが2チームの20試合になれば経済効果も上がる。
49ersも基本的には歓迎するだろう。49ersとRaidersのファン同士は「近親憎悪」にも似たライバル意識を持っているが、チーム同士は「同じ地域のスポーツを盛り上げよう」という意識が強い。表向きには「49ersと市だけで建設費用が賄える」と言っているので、「Raidersの協力が必要だ」とは言えない。「一緒に進めることができたらうれしい」くらいのトーンだ。ただ、本音は負担が半分になるので是非とも引き入れたいというところだろう。
Raidersはどうか?実はこのチームはオーナーのAl Davisのワンマン体質なのである。ふつうのチームには存在するGM(ゼネラルマネージャー)という職がなく、コーチの人事もドラフトで指名する選手もすべてAlが決めてしまうようなチームなのだ。
Al Davisは以前RaidersをLos Angelesに持って行き、思ったほど客が入らなかったので、Oaklandに戻した経緯がある。Al Davisは1929年生まれで現在80歳。5年後を見据えたような長期の計画には乗って来ない。少なくとも6月8日の投票で可決されるまでは静観だろう。
建設反対派は?Raidersが入ろうが入るまいが反対には変わりなし。「騒音や渋滞が起きる日が、年10日から20日にふえるのは嫌だ」という立場である。
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