New Orleans二日目。この日はミシシッピ川のクルーズに乗ってみた。Nachez号 という蒸気船に乗ってミシシッピ川を航海(川)するというもの。New Orleansはもうメキシコ湾に出る直前のところなので、川幅も広く、どちらが川上か川下か分からないくらい。夜はジャズを聴きながらディナーというツアー、昼はランチが出る。しかし昼のツアーはこの日は中止で、2時から食事の出ないツアーというのに乗船した。
港はフレンチクオーターの南にあるのだが、その川沿いを鉄道が走っている。River Front Steam Carという観光用の1両の電車と、もうひとつ港で陸揚げしたり荷を降ろしたりするための貨物列車の線路もある。Nachez号に乗るにはこの線路を越えて港に行かなければならない。しかし、船が出る1時間半前にここに長い貨物列車が入ってきた。100両以上あったのか、とにかく15分以上待っても途切れない。そのうちにだんだん減速して踏み切りを跨いで止まってしまった。仕方ないので写真のように連結部分によじ登って向こう側に出るしかない。遮断機はないが、踏み切りの警報音は1時間以上なったまま。船の営業はどうなるのだ?しかしそこはたくましいアメリカ人、みな写真のように貨物列車の切れ目を上ったり、下をくぐったり(おいおい)して港側に出てきたのだ。
Nachezは典型的な遊覧船。午後2時から船に乗って、2時半に出港する。2時20分ごろになると、突然音楽が鳴り始める。楽団が演奏するスペースがあったが、今回は食事が出ないので楽団は乗っていない。録音なのかなと思っていたら、、、
上の写真は翌日撮ったもの。船の後の部分で赤いのがスクリュー。屋根の上に煙のようなものが見えるだろうか。これはスチーム式のパイプオルガン。その隣にいるおばさんがオルガンのようなものを弾いていて、このパイプから音がでていたのだ。
2時半を10分ほど過ぎて船は出発。航路としてはまず川を下る。その間、男のガイドさんが「左に見えますのは・・・」という観光案内をしてくれる。観光といっても、New Orleansのミシシッピ川沿いは、ほとんどが荷物の積み下ろしをするための船着場ばかり。他は砂糖工場と、発電所があるくらい。
この写真はその砂糖工場で、茶色い砂糖を船から陸揚げしているところ。ここで精製して白い砂糖にするのか?この砂糖工場の船着場はかなり汚いが一部はハリケーンカトリーナで被害を受けたのだという。実はこの砂糖工場はちゃんと稼動しているが、船着場の中にはボロボロにやられて今も使えないものとか、人造物がすべて流されてしまったところもあった。また川沿いに生えている木も倒れかけているものも多かった(倒れた木はもう処分されたのであろう)。
そんな具合で観光というより今も残る台風の爪あとを見るような感じで40分ほど川を下ったところで方向転換。今度は上流に向かう。ここでようやく観光ガイドが終わって音楽が流された。Nachezのドックを通り過ぎてさらに上流に向かう。この辺はNew Orleansの中心地で、ワールドトレードセンターなど高層のビルが並ぶところ。ここはさすがに復興している。またUターンして、船着場に戻ったところでツアーは終了。船に乗るときに撮った写真を現像して20ドルで売っていた。これはいろんなアトラクションでやってるサービスだが、さすがに20ドルもすると誰も買わないなあ。私も当然買わなかった。
Nachez号のWebサイトにもあるが、このアトラクションは11月22日に復活したばかりだという。手元のガイドブックには11時半のランチクルーズというのも書いてあるのだが、これはまだ復活していないようだ。また、近くにある水族館やIMAXシアターも見られる割引チケットというのも切符売り場に書いてあったが、水族館もIMAXも閉鎖中であった。
New Orleans復興の証としてのNachez号クルーズが稼動していることは喜ばしいことだ。しかし、このツアーはやはり退屈といわざるを得ない。ハリケーンの被害がなかったとしたら、工場とか倉庫と、そこに荷揚げする貨物船ばかりを見ることになる。船オタクでないとちょっと退屈だろう。やはりこの船はJazzを聞きながら乗るのがよいのであろう。
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