New OrleansはJazz、Bluesの発祥の地。ハリケーンカトリーナの時に、この地にたくさんの黒人が住んでいて、政府の支援が遅れたのは人種差別ではないかと問題になった。ここ南部にはそれだけ多くの黒人が連れてこられたということだが、彼らによって作られた文化がこのJazzである。
ついた初日に、K-Paul'sというレストランでJazzバンドがレストランの中に入ってきて、生演奏をしたことはこちら で書いたとおり。K-Paul'sはレストランなので料理が主で、どちらかというとJazzの演奏はオマケになってしまう。Jazzを本格的に聞くにはナイトクラブに行くべし。というわけで翌日はナイトクラブに行ってみたのだが、有名処がどこも閉まっている。木曜日から週末にかけて営業して、火曜、水曜は休みというというところが多いようだ。とあるライブハウスに入ってみたが、演奏しているのはロック。ジャズではない。
というわけで、木曜日はジャズを聴きにライブハウスに行こうと決意。しかしそれは当然夜からの話なので、昼間はまたフレンチクォーターを歩いてみた。すると、商店街に3時からJazzのライブがあるという立て看板がある。見ると、商店街の切れ目の奥の目立たないところに入り口がある。ここはNew Orleans Jazz National Historical Park Visitor Center というところであった。中は狭いながらもJazzの歴史博物館のようになっていて、昔のアーチストの写真が展示され、CDなども売っている。同じ部屋の反対側はステージになっていて、そこで椅子を並べていた人がやってきた。ライブのことを聞いたら、3時から無料のコンサートがあるとのことであった。
3時から始まったコンサートは上のような感じ。右の白人の男はMatという名で、ギターと説明担当。左の黒人の男はBruceという名で、ピアノ、ハーモニカ、ボーカルが担当。MattがNew OrleansのJazzの歴史(New Orleansのジャズはブルースと関係が深い。もともとは黒人たちの労働歌だった、などなど)を説明しては、二人で曲を演奏する。客は我々を含めて10人ほどしかいない。途中入ったり出たりで最終的には15人ほどには増えた。それでもちゃんと演奏した二人には拍手が送られた。写真にもあるが、二人はミュージシャンには似つかわしくないユニフォームを着ている。実は彼らは国立公園局のレンジャー。すなわち国家公務員なのだ。このNational Historic ParkのURLがhttp://www.nps.gov/jazz/ と、National Park Serviceなのはそのためである。国立公園局の公務員がこうして演奏するくらいなのだから、さすがはNew Orleansといったところか。
さて、夜になってバーボンストリートに繰り出して、Maizon Bourbonというライブハウスに行った。ここは店のWebサイトがないようだ。ここに店正面の写真がある。ライブハウスとは言っても、バーとかパブのようなところである。中に入って酒を買って、ライブ演奏を聞くというシステムになっている。客は皆、ドアから中をのぞいて誰がどんな演奏をしているのかをまず確認する。気に入ったら中に入ってバーカウンターで酒を買う。しかしこの店のようにドアが大きいと、外からタダで聞いているやつもいる。
Jabroniはここでビールを買って、セッションの後半を聞いた。Jazzのことは分からないし、演奏しているバンドの名前も知らない。それでも彼らの演奏を堪能できた。Jazzはコンサート会場ではなく、こういうライブハウスで聞くのが一番だろう。
現金が尽きてしまった(この手のパブではクレジットカードは使えない)のと、昼間から歩いて疲れてしまったので、この1軒だけで引き上げた。今度New Orleansに来る機会があったら、何はともあれ週末に滞在する。食事はなるべくクレジットカードを使って現金をセーブする。そして朝はゆっくり起きて夜更かしに耐えられるようにする。この3つが大切だ。
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