昨日書いたように、San Francisco Giantsの監督に、Bruce Bochyが決まった。San Jose Mercury Newsを見る限り肯定的な意見が多い。もっともまだ何もやっていないので、「期待」以外の何者でもないのだが。
彼のGiants監督就任はアメリカでもかなり異例のことであった。
Bruce BochyはSan Diego Padres一筋24年間過ごしている。選手も監督・コーチもあちこちのチームを渡り歩くことがふつうのMLBでは、このこと自体がかなり異例のことだ。しかもPadresの監督を12年間やって、今の契約では来年まで残っていたという。しかも、アメリカの習慣で、もしも契約期間が残っている監督・コーチを引き抜くための交渉をするためには、所属する球団の許可が必要になる。つまり「引き抜き」とは言っても、相手の球団に悟られずに交渉するのではない。
しかも、GiantsがこのBochyを候補にしたのはつい最近のことで、それまではLos Angeles AngelsのピッチングコーチのBud Black、New York Metsの三塁コーチのManny Actaなど別の候補の面接をしていた。一方BochyにはChicago CubsがPadresの許可を得て、監督就任の面接をして、その結果Bochyが断っている。GiantsのGMのBrian SabeanはこのCubsのニュースを聞いて、「Bochyと交渉しよう」と思いついたという。
Padresは今年プレイオフに進出した。その監督を同じ地区のライバルチームに引き抜かれるのだから、ふつうは契約を盾に止めると思うのだが、Padresは交渉を許可し、さらに来年度の契約破棄については代償を求めないという。「去るものは追わず」というのがアメリカ流なのだろうか。
監督が決まったところで、Giantsの次の課題はBarry Bondsとなった。BondsはBochy就任と前後してFA宣言をしたが、11月いっぱいはGiantsだけが交渉することができる。オーナーのPeter Megowanはすでに再契約に自信を深めているようだが。もっともこの自信は、「他に言ってもそんなに金はもらえないぞ」ということらしいのだが。
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