ちょっとこちらのブログに書くのがご無沙汰になってしまった。ちょっと真面目なことを書いてみよう。
昨年暮れのシリコンバレー・ベイエリアの話題に「スポーツチームの本拠地移動」があった。具体的に言うと、MLB(野球)のOakland AthleticsがFremontに、NFL(フットボール)のSan Francisco 49ersがSanta Claraへの移転を発表したのである。
それぞれのチームの事情は違うが、共通しているのは、
- 南への移動
- あえて新天地を求める姿勢
であろうか。Oaklandから見てFremont、San FranciscoからみてSanta Claraはともに南、すなわちSan Joseに近づいていることである。San Joseとはすなわちシリコンバレーの中心地。サンフランシスコ湾をはさむベイエリアの中でも、南の方がシリコンバレーとして栄え、新しく人口も増えている。San Francisco、Oaklandという比較的古い都市から、新しいマーケットを求めて新興の都市を目指すというのも、アメリカのフロンティアスピリットの表れなのだろうか。
今日はまずAthleticsの事情を考えてみる。AthleticsはFremontに143エーカーの土地を購入し、ここに新しい球場を新設する。AthleticsといえばBilly BeaneというGMが有名である。彼が有名なのは「マネーボール」といわれる資金を効率的に使った選手の獲得、チーム作りなのだが、その理由はオーナーがシブチンであったためだ。しかし、2005年にLew Wolffというオーナーに代わった。金が入るようになり、Loaizaのような投手をFAで取ることもできるようにはなった。
しかし、この地域ではナショナルリーグのSan Francisco Giantsの人気が高い。私も時々A'sのゲームを見に行っているが、土日は代替35000人くらい入っている。平日は人が減るが、それでもYankeesやMarinersなど人気チームが相手の時は3万人以上入っている。しかし、それでも5万人入るGiantsには負けているという意識があるようだ。フランチャイズが重なっている以上、ブランド力の強いGiantsに客が集まるのは仕方ないところであろう。しかし、球場にも問題はある。
現在のMcAfee Coliseumは、Oaklandと言っても市街地から離れた高速道路の脇にある。Oakland市民にとっては便利がよいわけではない。しかもこのスタジアムはNFLのOakland Raidersと共有している。シーズンの終わりには重なって日程を調整することが時々ある。そんなわけで野球の専用スタジアムを持ちたいというのがこのチームの課題であった。まずターゲットになったのはSan Jose。もともとLew WolffはSan Jose Earthquakesというサッカーチームのオーナーであった。EarthquakesはHoustonに移転したが、その後San Joseが望んだのはMLBのチームであった。しかしSan JoseはGiantsのテリトリーで、San Jose Giantsというマイナーチームもある。テリトリーの関係でAthleticsはSan Jose移転ができなかった。そこで候補になったのが、San Joseの北にあり、Oaklandからもそれほど離れていないFremontであった。
しかも新しくできるスタジアムには地元の大企業でもあるCiscoがスポンサーになり、新球場には30年という長期のネーミングライト(名前はCisco Field)が設定されるとのこと。
Letter From the Owner こちらはWolffオーナーからA'sファンへの手紙。
A's New Park Cisco Field ここから新スタジアムの完成予定図を見ることができる。
いずれにしても、山積する現在のスタジアムの問題点、新オーナー、大企業のバックアップと好条件が揃ったAthleticsの移転はスムーズに進んでいる。
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