今週は社内でTech Conという社内の技術大会が行われた。私は行かなかったのだが、チームのマネージャーともう1人がSan Antonioに出張していた。その会議に出るために日本から来た人が、今日研究所の方に訪問に来て、一緒に昼食を取った。夜も誘われたのだが、あいにく先約があった。それがJTPAの「昇給」セミナーであった。
JTPAのセミナーに出るのはちょっと久しぶりのことになる。前回は3月にあった渡辺千賀さん(JTPAの代表)の出版記念パーティーであった。その渡辺さんの本に「シリコンバレーにいる日本人は交渉が下手なので、実力よりも安い給料で働かされているのではないか?」ということが書いてあったが、それを解消するため(?)の交渉術を身に付けようというのがこのセミナーの主旨であった。
渡辺さん自身が司会をして、シリコンバレーのアメリカ系会社に勤める4人の日本人がパネラーとなってのパネルディスカッションが行われた。
細かいことは書かないが、まず基本的なこととして日米の会社の仕組みの違いがある。それは「アメリカではマネージャーが人件費を含む予算を管理していて、部下を評価するに際して賃金を決めている」ということである。日本ではおそらく人事部、総務部の力が強くて、マネージャーが個々に人事評価をしても、最終的に給料の額を決めるのは人事になる。ボーナスもマネージャーが予算の中から決める。このことをまず知っておく必要がある。給料を上げてもらうには、上司たるマネージャーと交渉する必要があり、交渉次第で給料が上がるということだ。
今日のディスカッションではいろいろと交渉のテクニックが上げられていた。
- 給料提示の時点では遅い。その前の評価の時に自分をアピールしなければならない。
- 組織変更、同僚、マネージャーが辞めた時は昇給交渉のチャンス。
- 会社の中でも部署によって予算が変わることがある。社内でもチャンスの多い部署に行くようにする。
- マネージャーと交渉して駄目なら、その上のマネージャーと交渉してみる。最終的にはCEOと話すことも悪いことではない。
- ボーナスよりもベースサラリーを上げる方がよい。来年以降の昇給はベースサラリーが元になる。
- ベースサラリーが上げられない場合でも、ボーナス、福利厚生などあらゆることを要求してみよう。
- 他社に転職する準備をして、昇給を迫ることは構わない。
- 転職するのは、昇給・昇進のチャンス。
- 自分の給料の相場を知るために、転職の意志がなくてもリクルーターとの接触は持つべき。
てなところだ。日本流の処世術が通用しない世界がここにはあるのだ。
私も今のプロジェクトに移籍して1年が経つ。幸いなことにマネージャーとの関係は良好なので、今度何か要求してみるかな。
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