最近週末料理に凝っている。週末に出かけると必ず外食することになる。健康のことを考えると、ファーストフードには行く気がしないのだが、ふつうのレストランに行くとそこそこの出費になる。それで満足が得られるかというと、決してそうではない。量的にはともかく、味やサービスでは不満が残ることが多い。
そこで、自宅で自分で作ることにした。基本的に一品料理で、思いついたもの、自分が食べたいものを作る。先週はチリコンケインを作った。これはこれで奥深いものがあって、追求しなければならないものがあるのだが、こんなに濃い味のものはしょっちゅうやっても飽きが来る。そこで今週はパッタイを作ることにした。
パッタイはPad Thai。タイ料理の焼きそばのようなものだ。なぜパッタイにしたかというと、会社のカフェテリアのパッタイに納得がいかないから。会社のカフェテリアには、Internationalというコーナーがあって、ここでは日替わりで、アジア系のものかメキシコ系のものが出る。メキシコものはFajitasとかEnchirada、アジアの時は基本的に肉と野菜をいためたものが、ご飯か麺の上に乗っているというもの。
レストランで働いている人にはメキシコ人が何人かいるので、メキシコ系料理はちゃんとしている。ところがアジア系のものはちょっと怪しい。特に堂々とPad Thaiと名前を出して、ヤキそばが出ることがあるのだが、これがタイレストランで出てくるパッタイとは全然違う。作る時に、味付けにChili GarlicかPeanuts Sourceという選択をするのだが、どちらを選んでもパッタイとは思えない。まず麺がソーメンのように細い。それから味がどうしてもタイ料理のように思えない。甘さ、辛さ、酸っぱさが微妙にミックスされているのが、タイ料理の基本だが、その微妙さが出ていない。
というわけで、今回はパッタイを自分で作ることに挑戦した。インターネットでレシピを調べる。近所には中華マーケットがあるので、材料はたいていそこで手に入る。今回のポイントは麺(ライスヌードル)とタマリンドである。麺は「センレク」というらしいが、これは太さによって名前が違うらしく、中くらいのがセンレクらしい。中華レストランの麺売り場で中の太さのものを選ぶ。
次はタマリンド。Tamarindoという名前のタイレストランがあるのだが、これが果物の名前とは知らなかった。形も何も分からないまま、スーパーで野菜を並べている店員に「タマリンドはどこだい?」と聞くと教えてくれた。
こんな箱に入っている。値札をはがしてあるが、400グラムで$2.29と安い。
中にはこんなものが入っている。甘いので果物とされているが、豆の仲間らしい。殻は乾燥しているので、パリパリと割れるのだが、中には豆が入っているのだが、この殻の中にある豆は全部つながっていて、泥のような感触。それに殻の頭から尻尾までツルが這っている。
レシピにはこれに「100ccの湯をかけて溶かす」とあるのだけど、果物を湯に溶かす?無理だよ。そもそも400グラムのタマリンドは殻を取っても、かなりの量があり、100ccの湯をかけたところでちょっと濡れる程度。それに、タマリンドは結構硬いので「溶かし」ているうちに湯の温度が下がってしまう。仕方ないので、タマリンドを半分にし、湯を増やして煮詰めることにした。タマリンドは一応果物なので、こうすると甘い煮汁ができる。最も泥水のようなので、これをこしておく。さらにこれに砂糖(レシピにはパームシュガーとあったのだが、ブラウンシュガーで代用)、ナンプラーを入れる。
次にセンレクの方だが、レシピによれば、「10分間水に浸して水切りし、炒める」となっている。しかし、今回買ってきたのは乾麺。春雨のようにゴワゴワして硬い。浸したくらいじゃやわらかくならない。
フライパンでまず厚揚げ、エビ、卵を炒めて、そこにセンレクを入れた。しかし、硬くて食べられるようにはならない。仕方ないのでここで水を加えて蒸して麺を柔らかくした。本来なら、別に茹でておいて、水切りして炒めた方がよさそうだ。
そこにタマリンドの煮汁と、鶏がらスープを入れて炒める。これとは別にニラとモヤシを炒めて、盛り付ける。砕いたピーナッツをかけ、レモンを絞って出来上がり。
うん、これだ。パッタイはある程度太い麺じゃないとダメだ。タイ料理の「微妙な甘さ」というのは、このタマリンドのタレなのだろうか。
今回参考にしたレシピには、塩とか唐辛子の類がまったくない。だから、このままではタマリンドと砂糖でかなり甘くなってしまうだろう。醤油をちょっといれたら美味くなった。
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