5月4日付けのSan Jose Mercury Newsの一般の1面。「Microsoftは諦めて去った」。オンライン版の記事はこちら。Microsoft walks away from Yahoo deal
ことの経緯はもういろいろなところで記事になっている。MicrosoftがYahoo!に対する買収提案をしたは1月の末。当時のYahoo!の株価は19ドル。Microsoftの買収提案がニュースになって、その後Yahoo!の株は上がり続け、先週金曜日の時点で28.67ドルまで上がる。
Microsoftが最終回答を求めたのが3週間前で、Yahoo!はとりあえずその回答をしなかった。そして「一株37ドルに上げるなら、買収に応じる」という逆提案をするが、今度はMicrosoftが拒否。MicrosoftはYahoo!幹部の解任を求めて委任状争奪戦に出るというオプションがあったが、この手を取らず、とりあえず買収から手を引いた。
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今回のSan Jose Mercury Newsの記事でも感じるが、今回の騒動ではMicrosoftが完全に悪者だった。それは、日本の企業が外資系ファンドを「ハゲタカ」と称して嫌うのに似たものがある。
そもそもシリコンバレーは「来るもの拒まず」の文化があり、外からの人も資金も歓迎する土地なのだが、Microsoftだけは例外だった。同じアメリカの中でも、シリコンバレーとMicrosoftの文化は異質なものということなのだろう。今回の騒動でもGoogleが「Yahoo!を救いたい」と表明したことがあった。これはMicrosftをけん制するというより、シリコンバレーの会社を救いたいという意図があったように思える。
しかし、今回の騒動が終結したことで、今後のYahoo!の株価が注目される。「買収話がなくなった」ということで、皆が売りに出せば、株価は下がる。以前の19ドルよりもさがったら、Yahoo!の幹部は無事ではすまないし、再びMicrosoftが買収に乗り出すかも知れない。
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