日付は変わってしまったが、今日土曜日はSan Franciscoに出かけた。NFLのSan Francisco 49ers対Oakland Raidersの試合を、49ersのホームのCandlestick Parkに見に行くのがメインの目的。
でもその前に、
まずは在サンフランシスコ領事館というところに行って、在外選挙投票に。日本の政治に関心があるかと言えば半々かな。本来なら税金を払って生活しているアメリカの政治に注文付けるべきところだけど、選挙権がないのでどうしようもない。
そのアメリカでは大統領選挙が盛り上がっているが、アメリカの国民が投票するまでは結構大変な手続きがある。まず自ら登録しにいかなければならないし、投票日には平日(必ず火曜日になる)に投票所に行って、1時間以上並ばなければならない。黙っていても葉書が送られてきて、近所の学校にいけば投票できる日本とは雲泥の差だ。しかし、「面倒な」アメリカの方が投票率が高い。わざわざ登録しに行くという行動が投票に結びついて、政治への関心が高まるのだろうか。
そういうアメリカ人の知人を見ているので、車で30分かけてSan Franciscoに行き、駐車場からさらに歩いて、領事館まで行くという苦労をしてでも、投票には行っておこうという気になった。
領事館に付いてからの手続きがまた面倒。まず今回は日本で公示された18日の翌日の19から22日の4日間しか投票日がない。領事館や大使館では開票できないので、投票した用紙を日本の各選挙管理委員会というところに郵送することになっているそうだ。そのため、1週間前に締め切ってしまうらしい。
そしてやたらと手続きが面倒だ。まず、パスポート(身分証明書)と在外選挙人証というものが必要になる。在外選挙人証は一昨年の参議院選挙の時に申請して取り寄せたもの。参院選は選挙日が決まっているので、たしか領事館でも「早めに申請してください」というような宣伝をしていた。衆院のように解散して選挙があると、どうなるのかな?確か解散直後にはまたコマーシャルやっていたような気がする。公示してから選挙人証を申請していたのでは間に合わないだろう。
とにかくこの2つを持って領事館に行くと、まず封筒を渡されて、「選挙管理委員会の宛先を書け」と言われる。領事館では日本全国の選挙の場所を提供しているだけで、投票者は直接地元の選挙管理委員会に票を郵送することになる。一応ここには日本全国の選挙管理委員会のリストが置いてあるのだが、ここに来た時点では皆、在外選挙人証というものを持っている。それは各選挙管理委員会が発行したものなので、自分がどの市町村で投票するかは分かっている。
次にその封筒とパスポート、選挙人証を見せて、投票用紙と封筒を2つというセットをもらう。衆院選では小選挙区と比例区という2つの投票があるので、投票用紙、封筒1、封筒2を2セット受け取る。一応建前としては外国にいる人間が選挙管理委員会に「私何の某は、この投票用紙を送るので、開票よろしくおねがいします」と依頼することになる。封筒2には宛先(選挙管理委員会)と差出人(選挙人)の名前を書くことになる。で、この中に直接投票用紙を入れたのでは記名投票になってしまうので、投票用紙は無記名の封筒1に入れて、それを封筒2に入れる。
その2セットをもって投票場所に行く。日本の投票所には、たしかその地区で立候補している候補者の名前が貼られていたと思ったが、ここでは日本のすべての投票所の代わりになっているので、全国の候補者リストがある。もちろん貼ってすむ様な分量ではなく、3分冊の冊子になっている。
この冊子で自分の選挙区の候補者を見て、選んで投票用紙に書き込む。それを封筒1に入れて封をして、封筒1を封筒2に入れて封をする。
今度は2つできた封筒2を持って、また別の窓口に並んで、「立会人」の署名というものを封筒2にもらう。2つできた封筒2を、最初にもらって選挙管理委員会の宛先を書いた封筒に入れて、渡す。これでようやく投票が完了。
まあ、とにかく手続きが面倒。封筒に入れたり、その表書きをするのも面倒なのだけど、最初に投票用紙と封筒をもらうところで、在外選挙人証にスタンプを押すところと、立会人がサインするところがもたついていて、この2つに行列ができてしまう。まさに「お役所仕事」ってやつだ。
また、領事館に行くまでがもっと大変と言う人もたくさんいる。聞けばアメリカ西海岸には、Seattle、San Franisco、Los Angelesにしか領事館がなく、Oregon州やNevada州に住んでいる人もSan Franciscoまで自力で行って投票しなければならないそうだ。
これこそインターネットを使ってなんとかするべきだろう。本人確認と、無記名投票をどう保障するかが技術的な課題になるのだろうが、おそらく既存の技術を組み合わせてなんとかなるはず。もっとも、選挙期間中にネットコンテンツの更新を停止するなんてことをやっている国では、ネット投票は未来永劫ないのだろうが。
アメリカの選挙人登録がどれだけの手続きになのかは分からないが、日本人が海外で投票するのも苦労が多い。海外にいてもそれだけ関心が高いということは肝に銘じてもらいたいものだ。
伏魔殿外務省がそういうことに気を配るということは全く考えられませんねえ。
投稿情報: ちゅう | 2009-08-24 01:51