前回書いたように、Santa Clara市に49ersのスタジアムを建設するという計画が大詰めを迎えている。もともとはSan Franciscoにあったスタジアムを、チームのオーナーがSanta Claraに移転を決めたのだが(移転が決まった事情はいずれ紹介する)、Santa Claraに取っては「棚からぼたもち」のような話。市長や市役所はこの話を進めたが、市の税金(予定では1億1400万ドル)を投入するため、議会に加えて住民投票での承認が必要になった。
この計画案は住民投票ではMeasure Jと呼ばれており、賛成派はYes on J、反対派はNo on Jというポスターでキャンペーンを張っている。
賛成派の主張は当然ながら、経済的な効果を狙ってのもの。建設にはもちろん、スタジアムができたら雇用が期待できる。チームのSan Francisco 49ersはもちろん賛成派を後押しする。Santa Clara近辺に住んでいる過去の名選手や現役選手を集会に派遣して賛成派を盛り上げる。
一方、反対派ももちろんいる。彼らの主張はもちろん、税金投入に反対してのこと。10万人の都市に1億ドルはかなりの負担。もちろんこの市には多くの大企業があるので、そこからの税収はあるし、スタジアムの近辺にあるホテルに「ホテル税」などをかければまかなえるとしている。
しかし、このようなアセスメントはたいていの場合、甘めに作られている。建設が始まれば予算が足りなくなるし、雇用にしたって期待するほどは起こらないことがほとんどだ。
現に昨年オープンしたDallas CowboysのArlingtonスタジアムではそのようなことが起きた。DallasのあるTexas州ではフットボールの人気が高く、住民投票では賛成が圧倒したという。
それに対してCaliforniaは様々な国からの移民が多く、多様化している。フットボールが必ずしもナンバーワンスポーツというわけではない。Arlingtonではほとんどの住民が賛成したが、ここCaliforniaではそれほど熱狂的に賛成には振れないと言われる。
ちなみに、Santa Clara市の人口は10万人とは言え、シリコンバレーで働く人は世界から集まっている。必ずしも市民権(国籍)まで取得している人ばかりではない。投票できる人は1万8千人から3万人の間と言われている(アメリカでは国籍を持っている人が自分で登録してから投票する)。
さて、どうなるか?
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