上海滞在3日目(初日は夜着いたので実質2日目)は、上海環球金融中心と東方明珠塔を見た後で、万博会場に向かった。会場に着いたのは3時前であった。もう駅を下りてから会場ゲートまではほとんど人がいない状態。
この日のターゲットはこれに決めていた。
現在自分が住む国のアメリカが、どういう展示をしているのか楽しみだ。行列はできていたが、1時間半くらいでゲートの手前に来た。ゲートの中のエントランスホールでは、何やら皆が映画を見ているようだ。会場に入ると、右側にスポンサー企業のパネル一覧が張ってあった。Citiグループ、P&G、Microsoft、VISAカードと、アメリカを代表する企業だが、その数がすごい。
そして奥に行くとまずはオープニングのビデオ。
このオープニングのメッセージは「友好」であったようだ。最初にKobe Bryantが出てきて、「ニイハオ」と挨拶し、英語で何か言うと中国語で字幕。その後は、いろいろな人が出てきて中国語でメッセージを言うというもの。スケートのChristy Yamaguchiなど有名人も出て来るが、他は一般の人。サラリーマンみたいな人、主婦らしき人、建設作業員などなど。大学で中国語を学んでいる学生はすらすら喋るのだが、そうでもないアメリカ人に「中国語のメッセージを言え」と言っても、そうちゃんと喋れるはずがない。皆途中で失敗してNGを出されてしまう。何度も失敗して「18回目のスタートだ」という監督の声が入ったりしている。
最終的にちゃんと言える人もいるが、15秒ばかりのメッセージを覚えられずに終わる人もいる。失敗するたびに客からは笑いが起きる。他愛もないものなのだが、面白いビデオだった。おそらく中国、そして日本が作ったら、成功した部分だけをつなげるのだろう。しかしアメリカ人は敢えて失敗した部分をつないでいる。その方がコミュニケーションの大切さをうまく表現しているように感じた。
その後、移動して劇場のような所に座らされる。長時間並んだ後にホッとする瞬間だ。ここでもまた映画を見ることになった。テーマは「エコ教育」。子供が想像する社会を絵に描く。「ジュースで動く車が欲しい」というようなもの。このビデオには最初にClinton国務長官、最後の方にObama大統領が出てきた。中国にエコを推進せよというメッセージか?
さらにまた別の劇場に移動、3本目の映画を見る。内容は、町の一角を緑化しようというもの。町中のビル街の一角が空き地になってるが、ゴミ捨て場になっていて荒れている。その向かいのアパートに住んでいた女の子がそこを公園にしようとして、花を植える。しかし近所の悪ガキが踏みつぶしてしまう。また花を植えるが、また踏みつぶされる。しかし、繰り返しているうちに近所の人も花を植えるようになり、少しずつ緑化され、悪ガキたちも協力するようになる。最終的に奇麗な公園ができるのだが、この間ずっとセリフなし。これはどちらかというと、Better City, Better Lifeという上海万博のテーマに合わせたビデオだろう。
映画を3つ見た後、4番目の部屋はスポンサーごとの展示、さらにギフトショップとなる。この時点では自由行動になる。アメリカはディズニーなどのキャラクタものを持っているので、ギフトショップも大盛況といったところ。
アメリカ館はメッセージの伝え方が上手い。また、映画3本を最初に並べているので、館内での移動がスムーズだった。日本館は最初に自由行動させて、後半にショーと劇を入れているので、館内で客が待たされる。客裁きという点でも、メッセージの伝え方でも、アメリカ館の圧勝という感じだ。
アメリカ館を見終わると、すでに5時過ぎていたが、まだ隣のブラジル館やカナダ館には長い行列ができていた。「あとは数をこなそう」ということで、南米共同館やキューバ館、ブルネイ館、ベラルーシ館などを見て回った。
やっぱりパビリオンには国力の差が出る。アメリカや日本はかなり大掛かりなものを出しているが、キューバなどは、葉巻とテキーラとコーヒーしか出てない。地球の裏側の中国人にはまずこの3つだけでも覚えてもらおうという意図かな。
とにかく上海万博は広い。日本館やアメリカ館は会場の端にあるので、入り口からそのそばに行くまでで大変だ。さらに人が多い。メジャーなパビリオンに入るには行列を覚悟しなければならない。
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