ツアーの4日目も早起きして集合。この日は89号線に乗ってYellow Stone National Parkを出て、その南にあるGrand Teton National Parkに行く。この2つの国立公園はセットになっていて、車は1回入園料を払えば両方に行くことができる。Grand TetonはMt. Moran、Grand Tetonなど高い山々が名物となる。
このGrand Tetonが国立公園になったのは1929年。Yellow Stoneより57年も後。この場所は1800年代後半にビーバー狩りでにぎわったところだと言う。当時ヨーロッパでビーバーの皮をなめしたフェルトの帽子が流行したため、ビーバーが多くいたこの地に多くの男たちが金儲けのためビーバー狩りにやってきた。ビーバーを捕る罠を仕掛けるので、Trapperと呼ばれた。
そんな彼らが女性から離れて長期間この地でビーバー狩りをしているときに、向こうに見える山々が女性の「おっぱい」に見えたのだとか。ヨーロッパから来ていたTrapperも多かったので、フランス語でおっぱいを意味するTetonの名がついた。それが左の写真の山なのだが、そう見えるかな?ちなみにこの写真の中の一番高い山がこの公園の名前にもなっているGrand Tetonである。
ともかくこのような「山師」がたくさん入ってきた場所なので、1929年に国立公園にするときにはすでにこの土地はかなり個人に占有されていたとか。政府が個人の土地を買い上げていったが、なかなか売らない人もいた。そこで政府の高官が当時の大金持ちのJohn D. Rockfeller Jr.に依頼してこの土地の買い上げを行ったのだとか。そのため、Yellow StoneとGrand Tetonをつなぐ道路はJ. D. Rockfeller Jr Memorial Parkwayという名前が付いている。ともかく、そういう金持ちの説得にも応じないで土地を持ち続けた人もいる。そのため、国立公園でありながら0.4%は個人の土地になっている。
そんな話を聞きながら89号線を南下していくと、右側にはJackson Lakeという湖が広がり、その向こうにGrand Teton、Mt. Moranといった山々が見える。バスの中からでも絶景であることが分かる。
Jackson Lake Lodgeという小さなホテルでバスを降りる。このホテルのロビーを通りぬけると、西側の壁が大きなガラス張りになっていて、美しい山々が見える。そこから外に出て撮ったのが左の写真。もう絶景というしかない。左に見えているのがGrand Teton、右がMt. Moranである。この写真ではMt. Moranの方が高く見えるが、実際にはGrand Tetonの方が高い。このMoran山はYellow StoneのArtist Pointで滝の絵を描いたあのMoranの名前がつけられている。
その後、Jenny Lakeという小さな湖(Grand Tetonにもっとも近い)に寄ったあと、Church of Transfigurationという礼拝堂を見る。ここは地元の人が利用している小さな教会だが、この絶景の中にあると「絵になる」教会だ。
最後はShane Point。これは実際には名前のない場所なのだが、Antelope Flats Roadというところに古い建物が建っている場所がある。ここは映画「Shane」のラストシーンで少年が Shane, Come back!と叫ぶ場所である。映画で使ったセットはなくなっているが、このように開拓時代の建物を建てて保存している(実際には使っていない)。
Grand Tetonは国立公園の中に私有地やダム、飛行場があるなどちょっと趣旨に合わないところを含んだ国立公園である。しかし美しい山の風景を見ているだけでそんなことは忘れてしまう。
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