2月20日はPresident Day(大統領の日)という休日なので、この週末は3連休であった。本当はどこかに旅行したいところだったが、いろいろドタバタしているうちに予約を取り損なってしまった。というわけで、この3日は家ですごすことにした。
たまには映画見ようかということで、最近CMで見たPink Pantherを見ることにした。昔Peter Sellersがクルーゾー警部を演じていたシリーズのリメイク版である。
この映画はコメントしづらい。前のシリーズのファンなので見なければならないとは思っていたが、前のシリーズへの思い入れも強いので、当然新映画を見る目は厳しくなる。
前のPink Pantherシリーズは以下の6つ。
- The Pink Panther
- A Shot in the Dark
- The Return of the Pink Panther (邦題はピンクパンサー2)
- The Pink Panther Strikes Again(邦題はピンクパンサー3)
- Revenge of the Pink Panther(邦題はピンクパンサー4)
- Tail of the Pink Panther(邦題はピンクパンサー5)
最初の映画The Pink PantherはDavid Nivenが、「ピンクパンサー」というダイアモンドを狙う盗賊(表向きは貴族)を演じるDavid Nivenが主役で、クルーゾー警部のPeter Sellersは脇であった。しかしこの映画で主役を食う怪演をしたSellersが主役となり、だんだん映画も彼のキャラクタに染まっていく。A shot in the darkは日本では「暗闇でドッキリ」というタイトルになったが。
次のReturn of the Pink Pantherが実質的な「クルーゾー警部によるピンクパンサーシリーズ」の始まり。ハチャメチャな捜査でも事件を解決するクルーゾーと、段々精神を蝕まれるドレイフェスというパターンが決まった映画でもある。ちなみにA Shot in The DarkではPink Pantherという名前がタイトルになかったので、日本ではこの映画が「2」となったはず。いわゆるピンクパンサーの映画はこの2から4までの3作。5は撮影中にPeter Sellersが死んでしまい、映画のシナリオも書き換えて追悼インタビューのような映画になってしまった。
つまり、Pink Pantherという映画は、Peter Sellers演じるところのクルーゾー警部がいてこそヒットシリーズになったと言えるのである。
さて、今回のリメイク版でクルーゾー警部を演じているのはSteve Martinという役者。まず銀髪でヒゲの形が違うので、Sellersのイメージとかなり違う。ま、それは仕方ないことなのだが、仕草や「フランス語なまりの英語」などはSellersのまねをしている。Martinはクルーゾー警部ではなく、「Peter Sellers演じるクルーゾー警部」を演じようとして失敗しているという感じであった。Kevin Klien演じるところのドレイフェスもイマイチだ。ドレイフェスと言えば、「いやいやクルーゾーを使って」「クルーゾーのクレージーな捜査のあおりを受けて損ばかりして」「その割に手柄はクルーゾーのものになるので精神が蝕まれていく」という役。最後の精神がおかしくなっていくというサマが面白いのだが、今回の映画はまったくそれがなかった。
相棒のJean RenoとヒロインのBeyonce Knowlesはそれなりに良かったのだけど、彼らは脇役である。ピンクパンサーはクルーゾーとドレイフェス、それに執事のケイトーが大事なのだ。そういえばケイトーは今回いなかった。「隙を見せたら空手でかかっていく」というのはJean Renoがちょっとやっていたが。
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