今日6月1日の朝刊の1面に出ていたニュースが、「SUN Microsystems(サンマイクロシステムズ)が5000人の従業員をカット」というものであった。電子版はSun to cut 5,000 workers である。(この電子版は1日経つとメンバー専用サイトに行くので、もう読めないと思う。ただ、メンバー登録は無料なので、シリコンバレーの事情に興味のある人はどうぞ)
SUNでは創立以来Scott McNearlyが実権を握っていたが、彼もとうとう会長に退いた。その後を継いだのがJonathan Schwartzである。そのSchwartzがCEOになって初めてのリストラになる。37500人の社員のうち5000人を切るということなので、そうとう厳しいリストラだ。さらにNewarkとSunnyvaleにある2つのキャンパスを閉鎖するらしい。
SUNはシリコンバレーの中でも特異な会社である。もともとはUNIXマシン(SUN Workstation)を作っていたが、ずっと「反Microsoft」であった。Windowsマシンがデスクトップ市場で広がるにつれて、SUNのマシンはデスクトップからは駆逐されサーバーマシンとなった。ソフトウェア面ではJavaを出してその技術的なアドバンテージを保っていたが、それも最近はActiveXやFlash、C#.NETなどのライバルが出つつある。
昨日紹介したOracleのLarry EllisonとSUNのScott McNearlyと言えば、ことあるごとにMicrosoftとWindowsをこき下ろすことで有名であった。しかし「反Microsoft」と言うOracleにしてもAppleにしても、なんのかんの言いながらもMicrosoftとは協力したり、利用した面もあった。SUNは反Microsoftを貫いていたが、そのために2000年以降は本当に苦しくなってしまった。最近になってSUNはMicrosoftと協定を結んだが、SUNが軍門に下った印象はぬぐえない。
いずれにしても、下降する会社もあれば上昇する会社もあるのがシリコンバレー。GoogleはAppleやSUNとは全然違ったアプローチで、Microsoftと対抗しており、今のところそれは上手く行っている。こういう潜在的なパワーがあるのが、シリコンバレーの強みだろう。
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