9月に入ってMLBも大詰めとなってきた。プレイオフ進出がかかっているチームはもちろんだが、クビ元が怪しい監督・コーチや、FAの権利を取得する選手に関する噂が出始める時期でもある。
中でも注目はBarry Bonds。今日のSan Jose Mercury Newsのスポーツ面には、
Magowan still won't make decision on keeping Bonds
という記事がでていた。Peter MagowanというのはSF Giantsのオーナーで、彼はまだ来年Bondsと契約するか決めていないという。もちろん裏でいろいろと交渉しているのであろう。
今年彼がFAになるということは、今年でGiantsとの契約が切れるということ。本来なら今年までに755号ホームランは達成して、今頃は引退後の進路が話題になるはずであった。しかし怪我で去年のシーズンのほとんどを棒にふってしまった。今年は最初から出ているが、休みがちで打率は2割6分台しかない。8月後半からホームランがよく出るようになって、現在23本(通産721号)となった。
今年あと24本打つのはまず無理だ。となると来年も現役を続けて、Hank Aaronの記録に挑戦するしかない。しかし、42歳で給料の高いBondsを、ホームランの記録のために雇うことはリスクが高すぎる。
実はSF Giantsにはまだプレイオフ進出の望みが残っている。72勝71敗でNL西の3位にいるが、首位Dodgersまで4ゲーム差。これは無理かも知れないが、2位San Diego Padresとの差は2.5ゲームで、これを追い抜くとワイルドカードでの進出の目が出てくる。今年はNY Metsが88勝54敗という驚異的な強さで、貯金をしまくっているので、相対的にワイルドカードのハードルが下がっているのだ。これからBondsがチームをプレイオフ、ワールドシリーズへ導くような活躍をすれば誰も文句は出ないのだが、それだけの活躍が望めないのが悩みの種だ。
最終的にBondsはGiantsで短期の契約でまとまると思われる。確かに走る力が衰えたBondsは、DH制のあるAmericanリーグに移った方がホームランは出やすいだろう。しかし、彼はホームラン記録とともに、Giantsでの25番の永久欠番と殿堂入りを願っている。つまりGiantsで現役を終えたいのだ。もしGiantsからフリーエージェントとなって別のチームに入ったりすれば、Giantsとオーナーには相当大きな批判が寄せられるだろう。チームにとってもオーナーにとっても、Bondsは悩みの種だ。
最近のコメント