今日の新聞には、SF Giantsの監督選びの苦労が書かれていた。
Killion: The Giants, their job, and the thing in the room
来年の監督を選ぶに当たって、Barry Bondsをどうするかが議題の中心になっている。
まず説明が必要だが、日本ではプロ野球の監督をクビにする場合には、事前に次の監督を決めるか、候補を絞り込んでから発表するのがふつうだ。ところがアメリカではとりあえず前任の監督のクビを切ってしまう。それからいろいろな候補者と面接をするのだが、その間も「誰がインタビューされた」ということが記事に出るのである。
ベイエリアにある2チーム、SF GiantsとOakland A'sはともに監督を解任して、新しい監督を探している。しかしどちらも難航するというより、この2チームの監督を引き受けるのはなかなか大変なことだろうと思う。
まずA'sだが、ここはご存じMoney Ballのチームで、「いかに安い予算で選手を集めて優勝を目指すか」という方針でチームを編成している。その結果打率は悪くても選球眼がよくて四球の多い選手を取りたがる。FAを取得した選手はたいていチームを出てしまう。今年はエースのZitoがA'sを去ると言われている。そういう安い選手を使って戦っても、勝てば、GMのBilly Beaneがほめられても、監督は無視される。今年のKen Macha監督はアメリカンリーグ西で優勝し、ディビジョンシリーズにも勝った。しかしリーグのチャンピオンシリーズに負けたとたんに解任である。これは厳しい。もっともMacha監督は選手とのコミュニケーションが悪いという話もあった。来期Zitoが抜けるとなると、投手力が下がることは間違いない。来期いきなり優勝を求めるのは酷ではないだろうか。
一方のGiantsは、やはりBarry Bondsの扱いがハードルになっている。彼は755号ホームランまで残り21本となっている。Bondsにしてみれば、「あと21本ホームランを打つこと」自体が現役生活を続ける目的になっている。Bondsだけではなく、チーム全体がベテランだらけになっているので、次の監督とすれば思い切ってベテランをすべて切って、若い選手の育成から始めたいところだ。しかしBondsは大物だ。しかも父親もGiantsのOBだ。オーナーであっても、簡単にはBondsを切ることが出来なくなっている。彼をどのように扱うかについては、オーナーと本人の了承を得ておかないといけない。
そんなわけで、次期監督との面接ではBondsをどう使うかが議題になっているのだという。ナショナルリーグはDHがないので、レフトを守らなければならない。もともとは足の速い選手だったので、守備はそれほど下手ではない。ただし、フル出場はできないが、出れば必ず4番を打つという選手はなかなか扱いが難しいだろう。Giantsの次期監督もまた大変だ。
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