パーティーには、彼の前任の所長をはじめ、すでにリタイアした人が何人か来ていた。今回Dickは転職ではなく、引退するため、それぞれ「引退の心得」といったことをスピーチしていた。
Dick Lampmanは会社に37年勤め、最後の8年を研究所所長として勤めた。しかしその8年は、HPとAgilentの分割に始まり、Carly FiorinaがCEOに就任、Compaqとの合併があり、リストラが連続してあり、Fiorinaが解任され、Mark Hurdが新社長兼CEOに就任と激動の時代であった。FiorinaもHurdもHPに引き抜かれてきたCEOだ。そしてLampmanの後任となる所長さんも、大学から引き抜かれて来た人だ。Lampmanのように30年以上も一つの会社で働くということは、アメリカではかなり珍しいことになってしまった。
そのLampmanは非常に温厚な性格で、過去のスピーチにもその人柄が表れていた。そのため、部下の誰からも慕われていた。最後の最後に話す機会があったので、「長く会社におられたので、ここでの思い出を本に書くことはしないのですか?」と聞いてみた。すると、「何人もの人がそう言ったよ。でも、まずは休みたいな」と答えてくれた。お疲れ様でした。
最近のコメント