今日は月に1度のJTPAギークサロン。今回はCRI Middlewareの松田白郎さんによる「愉しいコンシューマーゲーム機の世界」という話。
松田氏は セガ、マイクロソフト、Microsoft corp.を経て、2006年よりCRI Middlewareに移ったという方。CRI Middlewareとはその名の通りミドルウェアを作る会社で、主にゲーム機の上のツールなどを作る会社だそうだ。
一番面白そうな話は最後にあったのだが、結論を言うと、私用のため、後半は出ることができなかった。話は
- ゲーム業界
- ハードウェア
- ソフトウェア
- 最適化
という段取りだった。自分の興味はソフトウェアなので後半が聞きたかったのだが、スキップせざるを得なかった。前半のとくに業界の話を聞いた感想などを書いてみる。
「ゲーム業界」の話はハードウェア会社(ソニー、任天堂、マイクロソフト)とサードパーティーの特殊な関係。これはゲーム業界特有のもので、ハードウェア会社と排他的な契約を結んでからしかソフトの開発ができない。さらにはソフトウェア開発用のプラットフォームというのも、相当な金で買わなければならないらしい。またオンラインゲーム(これはやったことがないのだが)はかなり期待されていたが、ほとんど儲からない。結局この業界ではプラットフォームを出している会社と、ごく一部の業界しか儲からないのだそうな。この話は以前も誰かから聞いたことがあるが、改めてこの業界の「特殊性」を痛感する。
これももっと年を取ったひとなら、Atariショックを受けて、任天堂がソフトを限定するために業界を牛耳ったというところから話をするのだろう。
さらに、今のゲーム業界は大きな産業になり、その中でかなり細部にわたるまで分業化、専門化が進んでいるという。さらに、プログラマー、アーティスト(日本ではデザイナー)などそれぞれの部門で、「徒弟制度」のようなものがあって技術が継承されていくのだそうな。「アメリカでもそんなことがあるのか?」と聞いてみたところ、アメリカでは若手でも抜擢されるが、短い期間で「燃え尽き」てしまい、ウェブプログラマーやウェブデザイナーに人材が流れていってしまうのだそうだ。
大昔、MSXでゲームを作ったりしたのは20年も前か。ゲーム業界ほど工学(エンジニアリング)が急速に進歩した業界はないのではないか。しかし1つのゲームを作るためのコストが膨大なものになっている。大きなものになると何十億という金と100人を越える人材を投入する。さらに企画の段階からマーケッティングが入って、「このゲームならどの国でこれくらい売れる」というような計算が立つのだという。
あくまで「ユーザに面白さを提供する」というところは変わっていないのだとは思うが、規模が大きくなりすぎると夢のある世界ではなくなっている気がするな。
最近のコメント