今日はHP研究所に、東京大学から2人の先生が来られた。東大の産学連携本部というところから、海老野征雄教授、筧一彦助教授の2人。産学連携本部というのは、私が在学中にはなかったものだが、国立大学が独立行政法人になって、外部からの資金を集めるために作られた新しい組織ということだった。
産学連携本部はできて3年目だそうで、すでに日本国内の企業や、Sun Microsystems、Trendmicroとは共同研究の実績があるとのこと。今回は大学院の情報理工学系研究科で行われている研究の紹介が行われた。
ちょうどHPの方も、研究所のトップが替わり、大学との共同研究を進めたいという発表があったばかり。「渡りに船」という感じで今回の訪問があった。ただ、今週は社内で大きなイベントがあり、多くの研究者が出払ってしまっていたため、会場には5人くらいしか来てくれなかった(電話会議では何人か参加していたが)。ただ、別の見方では、最近IT関係ではインド、中国、ロシアといった新興国が元気で、日本の活動自体が注目されなくなってしまっているのも事実だ。
インドや中国が強いのは、国の大学を出たトップクラスの学生が、アメリカに留学していたこと。そして彼らはしばらくアメリカで働き、その後HPやIBM、Microsoftが開いたインドや中国の研究所や事業部の核として自国に帰っていった。そのため、アメリカ企業とも学会とも人的なコネクションが強く大きい。東大や他の日本の大学が、学力で秀でていても世界的に認知されないのは、このような人的ネットワークがないためだ。東大の産学連携は始まって間もないのだが、世界的に見れば、かなり出遅れてしまっていることは事実だろう。
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