いつも野球だの吉本だの与太話ばかり書いているが、ちょっとは真面目なことも書いてみよう。
JTPAボードの梅田望夫さんのブログにシリコンバレーの「空気」 というエントリがあった。梅田さんのブログは有名なのでわざわざ紹介しない。このエントリはもともと遅咲きブログ少年 @はてなさんによる[雑感]アメリカで退職 というブログエントリに対するトラックバックである。
概要を書くと、遅咲きブログ少年さんがシリコンバレーにあるNVIDIAという会社を辞めたのだが、そのとき上司や同僚に「Congraturation !!」すなわち「おめでとう」と言われたという。梅田さんはそれを「シリコンバレーの空気だ」と解説している。
たしかに日本の会社で会社を退職するときに、上司から「おめでとう」とは言われないだろうな。でも、シリコンバレーの会社に勤めていると、この感覚はよく分かる。自分だって、もし今会社を辞めるとなったら、上司がCongratulations!(スペルはこっちが正しい)と言うかどうかは分からない。でもこちらにちゃんとした理由があって、ちゃんと説明すればそう言うだろう。少なくともGood Luck(頑張れよ)とは言うはずだ。おそらく同僚が会社を辞めると言ったら自分だって本心からそう言うと思う。
シリコンバレーはITやバイオなどハイテクの会社が集まっているところなのだが、この業界はとにかく進歩が激しく競争もきつい。そんな中で生き残っていくためには、社会や市場の変化に対応するため、自分自身が変化していかなければならない。この自分というのは会社も個人も両方である。会社がリストラ(社員の解雇を含む)を行うのは、何も財政的に苦しいからだけではない。次のマーケットに備えて新しい商品・サービスを開発していかなければならない。そのために今の体制でできなければ、組織自体を変革させなければならない。
このことは会社だけではなく、そこで働く個人にも当てはまる。次の時代に生き残っていくためには、自分自身を変化させていかなければならない。そのために今の組織会社にいてよいのか?駄目だと思ったら、自分のキャリアアップのために働く環境すなわち組織・会社を変えることだって必要だ。会社が目指す変革と、自分が志向する変化がいつもぴったり合うとは限らない。
いつも思うのだが、会社と個人は相対的なものなのだ。会社が変革のためにリストラをするのなら、個人がキャリアアップのために転職するのは当然なことだ。シリコンバレーは流動性が高い。それは会社に絶えずいろいろな人が出入りするという意味だが、転職する個人から見ると働く環境(組織、会社)がどんどん替わっていくということでもある。遅咲きブログ少年さんは新しい会社へ転職するための退職だったそうだが、元の会社の上司の方が彼のステップアップを理解してCongruatulationsと言ったのなら、納得のいく話である。
最近のコメント