ちょっと古い記事になるが、土曜日のSan Jose Mercury Newsから。
また会員しか読めないページ(会員になるのは無料)になっているかもしれない。概要は以下のとおり。
- Hewlett-Packardは会社内のIT部門でのTelecommuting(在宅勤務)を取りやめる。同社は長年柔軟な勤務体系で他社に先行してきたが、他社の多くが在宅勤務を進める中で、それとは逆の方向に進むことになる。HPのCIOのRandy Mott(過去にWal-Mart、Dellに勤務)がこの決定をした。
Telecommutingとは文字通り訳すと「遠距離通勤」だが、在宅勤務の意味もある。今はこの在宅勤務の意味で使われることが多い。ちなみにこの記事によれば、HP社で在宅勤務をしているのは1000人以上。SUNの場合は17000人にも登るそうだ。
私は現在このHPに勤務中なので、この決定がいいとか悪いとかは言いにくい。ちなみに私の同僚にも、ワシントン州の自宅からインターネットを使って会社のコンピュータにつなげて仕事をしている人がいる。彼などは今回対象になっている部署ではないので、すぐに影響を受けることはないようだ。
在宅勤務はいろいろな理由で行われる。従業員側の都合では、「自然の中で暮らしたい」とか、「田舎に行って広い家に住みたい」いう理由が多い。もっともこれは「わがまま」な研究者のことが多い。もっと切実なケースでは、「妻(あるいは夫)が異動した、転職した」というもの。単身赴任などしたら家庭が崩壊してしまうアメリカ社会では、どちらかが在宅勤務せざるを得ない。
会社側にもこれを容認しないと、優秀な人材を確保できないという理由がある。その人を手放したくなければ在宅勤務を認めて、他社に転職するのを阻む。あるいは遠くにいる人を、最初から在宅勤務を条件にスカウトすることもある。
ともあれ、今回のHPの決定は「ゆり戻し」のようなものだ。今まで勤務形態に様々なバリエーションを認めてきて、人はたくさんとれるようになったが、弊害も出てきた。それを改めようというものだが、当然ながら会社勤務に戻れず辞めてしまう人もいるだろう。結果的にIT部門の業績が上がればいいが、もし大量に辞めて人材確保ができなくなってしまったら、また戻すということにもなるのだろう。試行錯誤は続く。
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