アメリカのCMと言えば、以前タバコ会社を攻撃するCM というエントリを書いたが、今日紹介するCMはもっとすごい。「日本では、いや、他の国ではまずありえないだろう」というものを紹介しよう。Bad Boy Bail BondというCMなのだが、実体はこちら にある。弁護士などもいる真面目な団体のようだ。
しかしCMはHip Hopというかラップ調の音楽がかかっている。歌はラップでスラングが多くしかも早いので聞き取りにくい。画面とあわせながら理解したところによれば、ストーリーは以下のようになる。
母親とその息子がいる。母親役は太った黒人の男が女装している。なぜか息子の方は白人である。その息子が居間でテレビを見ていると、警官が尋ねてきていきなり息子は逮捕されてしまう。独房で悲しんでいた息子だが、いきなりBad Boy Bail Bondに電話をかける(留置所に囚人がかけられる電話があるというのも不思議だが)。すると解決!息子は保釈されて母親が運転する車に乗って家に帰るというもの。
Bail Bondは保釈金を貸してくれるという特殊な金融会社のこと。つまりこのCMは、
「警察にパクられても、Bail Bondに電話すればすぐに保釈金を貸してくれるよ。そしたらすぐに自由の身になれるさ!」
というもの。日本にはBail Bondなんていう商売はないと思うのだが、例えあってもこんな馬鹿げたCMなど放送できないだろう。「犯罪を助長している」とか言われないのだろうか?
この「家に警官が来て逮捕される」というのは最近やっているバージョンである。Bad Boy Bail Bondは常にCMを流しているわけではなく、忘れた頃に新しいバージョンを作って放映している。もしかしたら季節によって逮捕者が増えるなんていう現象があるのか?前のバージョンでは、やはり留置所に送られた男が彼女に電話するというものであった(本当にアメリカの留置所には電話があるのか?)。「元気か?」と聞くと彼女は「今Bobが来てるの」と言う。彼女の後ろにはがっちりとした黒人の男が立っている。家のメンテナンスみたいな格好をしているが、右手には電気ドリルを持ってニヤニヤしている(どう考えてもセックスを想像させる)。そこで留置所男が、「こりゃ大変だ、ママに電話しなきゃ」と言う。ママというのが今回も出てきた女装した男なのだが、このママがBail Bondから保釈金を借りてくれたということらしい、最後はママがBobの耳を引っ張って連れ出し、その向こうで保釈された男が彼女にだきついているというところで終わる。「おいおい、悪いのはBobじゃなくてそっちの男だろうが!」と突っ込みたくなるようなものであるが、これもまた軽快な音楽がバックに流れている軽い仕上がりのCMであった。
このお気楽な(?)CMのお陰でアメリカにはBail Bondなる商売があることが分かりました。間違っても世話にはなりたくないけどね。
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